時を超え、海を越えて私達の所へ来る子達。時代の波も戦争をも乗り越え、私よりも遥かに長く生きてきた彼等に出会えたことは、まさに奇跡と呼んでも過言ではありません。その古びた姿を手に取ると、「何てしっかりした作りなのだろう」と感心させられます。遠い昔に作られたにも関わらず、細やかなその製法には驚かされるばかりです。多くのメーカーがベアやアニマルトーイに力を入れていた時代だったのでしょう。現代にはない、良き時代の背景が目に浮かんできます。 さて、ほんの少しいろんなメーカーについて紹介したいと思います。 *Steiff - Germany みなさんもご存じのメーカーです。1877年にマルガレーテ・シュタイフによって設立されました。フェルト製「象の針刺し」は有名なお話ですね。 1902年にリチャード・シュタイフがデッサンしたクマを商品化できないかとマルガレーテに提案し、1つのクマの縫いぐるみが誕生しました。それは世界で初めて作られたクマの縫いぐるみでもあり、シュタイフのテディベアのルーツはここから始まったようです。 売れ行きも伸び、盗作まで出回るようになった為、1904年にシュタイフ製品の左耳にボタンを取り付けるという考案から、「ボタン・イン・イヤー」が生まれました。 シュタイフ社製のアンティークベアは現在でも高値で取り引きされていること考えると、まさに最高峰の老舗メーカーと言えるのではないでしょうか。 *Chad Valley - England 1915年に最初のベアを作り、30年代にエリザベス女王から王妃ご用達メーカーの許可を与えられ、多くのベアを生産したようです。しかしながら1970年代に不況の為、他社に買収されてしまいます。 チャドヴァレー社のベアは、平らで離れた目、大きな鼻ステッチなどのお茶目で非常に可愛い特徴を持っています。また、他にも様々なアニマルトーイやキャラクター物なども生産していました。残念ながら今はなきメーカーです。 *Merrythought - England 1931年に初めてのベアが生産されました。初期のベアはファーネルやチルターンに類似しています。1957年にはあの有名なチーキーが生産され、現代に至るまでその人気を保ち続けています。限定物やレプリカも生産され、今なお健在するメーカーです。 *Farnell - England アルファベアでお馴染みのファーネル。長いマズルと手足が特徴的です。アニマルトーイやDinkieやBlinkieなどのキャラクタートーイも生産。1960年代に廃業してしまった、今は亡きメーカーです。 *Chiltern - England 1908年にEinco社の設立者Joseph Eisenmannによって設立されました。1915年にファーストベア、マスターテディが生産されます。そのユニークで独特な顔はEinco社の製品と類似しており、現在では高値で取引されてるベアの1つです。1920年代にハグミーベアが誕生し、60年代まで製造されましたが、その後はチャド・ヴァレー社に買収されました。買収された後は「Chiltern/Chad Valley」のタグに変わっています。 *Einco (Eisenmann & Co) - England Einco社は1881年にJoseph Eisenmannによって設立されました。後にChiltern Toy Works社を設立。第一次世界大戦前まで、ジョセフは「おもちゃの王様」として知られていました。Einco社を代表するTUBBYとFIFIはとても有名です。 |